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tauri アプリを Microsoft Store に公開した

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tauri で作成したアプリを Microsoft Store に公開した手順のメモ。

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はじめに

先日 tauri で作成したデスクトップアプリを Microsoft Store に公開した。以前、記事で紹介した作成したアプリはポモドーロタイマーアプリ(Microsoft Store) を公開した。

準備するもの

Microsoft Partner Center アカウントの作成

Microsoft Store にアプリを公開するには、Microsoft Partner Center アカウントが必要である。以下のリンクからアカウントを作成できる。

個人では無料となるが、法人の場合は登録料が発生するので注意が必要である。(以前は個人でも登録料が発生していたが、2025 年現在は無料となっている。)

収益化のための設定

※公開委するアプリが無料アプリであっても、この収益化設定は必要だった。 Microsoft Store でアプリを公開する場合、収益化のための設定が必要である。 大きく作業は、Payout Profile の作成と Tax Profile の作成がある。

Payout Profile の作成

Payout Profile は、収益を受け取るための銀行口座情報を登録するものである。 PayPal のアカウントがあれば、比較的簡単に登録できた。 payout-profile

Tax Profile の作成

これは、税務情報を登録するものである。個人の場合は、W-8BEN フォームを提出する必要があった。フォームの記入方法については、基本的に指示に従えば問題ないが、住所の記入方法などで迷うことがあるかもしれない。私は ChatGPT に都度記入例を作成してもらい、参考にした。

Microsoft Store アプリの登録

Apps and Games セクションから新しいアプリを登録する。アプリ名の重複は許されないため、事前にアプリ名の空き状況を確認しておくと良い。 app-registration

アプリの登録が完了したら、Product Management > Product identifiers へアクセスし、各種情報を確認しておく。(ビルドやインストールパッケージ作成時に使用する。) product-identifier

tauri ビルド

まず、tauri の設定ファイル tauri.conf.json を以下のように作成する。 identifier には、Microsoft Partner Center の Product identifiers で確認した Package/Identity/Name の値を指定する。たとえば、Package/Identity/Name が example.pomodoro の場合、identifier は com.example.pomodoro となる。

{
  "productName": "{ アプリ名 }",
  "mainBinaryName": "{ アプリ名 }",
  "version": "{ バージョン }",
  "identifier": "com.example.pomodoro",
  // 中略
}

tauri のビルドコマンドを実行し、msi 形式のインストーラーを作成する。

cargo tauri build

msix パッケージの作成

tauri でビルドできるのは、msi 形式であるが、Microsoft Store に公開するには msix 形式に変換する必要がある。(msi 形式でも公開できるが、自動更新等のことを考慮すると msix 形式が望ましい。 ちなみに MS も msix 形式での公開を推奨している。)

msi 形式を msix 形式に変換するには、MSIX Packaging Tool を使用する。以下のリンクからインストールできる。

MSIX パッケージの作成手順

  1. MSIX Packaging Tool を起動し、「このコンピューターにパッケージを作成する」を選択する。
  2. tauri で作成した msi インストーラーを指定する。このとき、署名の基本設定 はこだわりがなければ設定しなくてもよい。
  3. パッケージ情報を入力する。Product identifiers で確認した情報を基に以下の項目を入力する。 パッケージ名: Package/Identity/Name
    パッケージの表示名: アプリ名
    発行元名: Package/Identity/Publisher
    発行元の表示名: Package/Properties/PublisherDisplayName
  4. 保存先を指定し、パッケージを作成する。

3. パッケージ情報を入力する の手順で入力する情報は、間違えると登録時にエラーを教えてくれた。

また、Windows Search がアクティブの場合は無効にするよう推奨されるので、無効にした。 無効にするには以下の手順を踏む。

  1. Win + R キーを押す。
  2. services.msc と入力してサービス管理ツールを起動する。
  3. Windows Search サービスを停止する。

Microsoft Store へのアップロード

作成したパッケージを Microsoft Partner Center にアップロードする。アプリの登録ページの Packages セクションからアップロードできる。あとは、必要な情報(アプリの説明、スクリーンショット、プライバシーポリシーの URL など)を入力し、アプリを公開することができた。

おわりに

tauri で作成したアプリを Microsoft Store に公開する手順を紹介した。比較的簡単に公開できたが、msix パッケージの作成など、いくつか注意点があった。今後も tauri を活用して、さまざまなプラットフォーム向けにアプリを公開していきたいと考えている。正直いうと多言語化対応したプライバシーポリシーとサポートページの用意が一番面倒だった。